ここ下閉伊では残る道具はないとされています。
もしかしたらどこかの蔵や物置に眠っているものがあるかもしれませんが、呼びかけて簡単に出てくるようなら保存に至っっていると思います。
少し努力をして、周囲の興味をひかなければ探してみようか、聞いてみようかにはつながらないと思っています。
各地の地域で運営している工房には、蒸すための釜も大きなものがあり、楮の繊維を叩いたりほぐしたりするのも皆機械で行われています。もちろんほとんどのところに乾燥機も備えてあります。
親の介護を視野に入れる年齢の主婦では長期での弟子入りは難しいうえ、体力や筋力も怪しい年齢に差しかかり大がかりな作業も望めません。
この地で伝えるために必要なのは、一切を手作業で賄う気力と体力にみあった最小限の道具 でしょうか。
購入できるものばかりではないので、日用品の中から代用したり、手作りしたり、妥協もしていくことになります。
ここに順次挙げていく「私が使う道具」はそういうものです。
興味のある方は一度どこかの産地に脚を運び、ずっと伝えられてきている本物の道具も見ていただけたら幸いです。
※ 現存のものがひとつありましたね。糸が切れた簀をいっしょくたにまるめておいたもの。
その当時の紙の繊維が付着したまま、煤けています。閉伊川紙の項目に写真掲載しています。
念願の紙貼り用の刷毛が2月25日に届いた! 2013/3/2 記
馬の黒毛 サイズは7寸
これは縦刷毛で、洋服ブラシのように横に柄が付いたものは横刷毛というんですって。
少し硬めの刷毛を欲しかったので、あこがれの白毛の刷毛は見送り。
80半ばの美濃の刷毛職人さんにお願いして、体調をだましながら作っていただいた。
自作の筍の皮の刷毛もあるけど、異常乾燥の日などは乾燥し過ぎててクルックルのチリッチリに、梅雨の頃にはなかなか乾燥せずカビの気配が・・・
安定した道具は心の余裕につながるように思う。
初めに自分で作った、筍の皮の刷毛。
唐竹の筍の皮を細く裂き、柔らかくなるようソーダ灰のアルカリ溶液で煮てみました。
細く裂くのは何とかなったが、どれぐらいの濃度でどのぐらいの時間煮たらいいのか、また、使いやすい重さと大きさと・・・体の一部のように使うものにするにはまだまだ何度も試行錯誤が必要です。
この初代の刷毛は擦り切れて2本目を作りました。。
2013/3/2
お待ちください